こんにちは、赤ヰです。
いまこの瞬間にも、地球では1秒に4人ほどの赤ちゃんが生まれているそうです。
もし、自分がそのうちの1人だったら。
どこで、誰の子として生まれるかは、選べない。
「80億分の1」
そんな人生を最後まで生きてみる、人生シミュレーションゲームを遊んでみました。
今回は、1回目の人生の記録です。
・「80億分の1」は、141か国の実際の統計をもとにした、無料の人生シミュレーション
・赤ヰは、パキスタン・ラホールの女の子として生まれた
・そして、93歳まで生きた
01 ― ABOUT
🌍「80億分の1」って、どんなゲーム?
「80億分の1」は、ランダムな国に生まれて、一度きりの人生を最後まで生きてみるゲームです。
ブラウザで無料で遊べます。
いちばんの特徴は、実際の統計をもとにしていること。
141か国の出生数や平均寿命、子どもの死亡率、所得、教育、病気などのデータが使われていて、
亡くなる時期や死因も、その国の統計に沿って決まります。
世界の出生数の割合で、国が決まる
一時停止や倍速もできる
進学・仕事・結婚・移住を自分で選ぶ
同じ瞬間に生まれた4人の人生も並んで進む
選択によって人生は変わります。
でも、生まれた場所の統計から完全に抜け出すのは難しい。
そんなリアルさのあるゲームです。
02 ― BIRTH
👶パキスタンの女の子として、生まれた
生まれる場所を決める画面が終わって、出てきた国は……
パキスタン
2026年1月。
パキスタンのラホールで、女の子として生まれました。
名前は、Nida Rajput(ニダ・ラジプート)。
母は32歳、父は38歳。
上にきょうだいが2人いて、家族はイスラム教を信仰しています。
家庭の所得は、5段階のちょうど真ん中でした。
アンゴラ、スーダン、インド、グアテマラ。
みんな、選んで生まれたわけじゃない。
日本と比べると、スタートがこんなに違う
ゲームでは、自分が実際に生まれた国と比べることができます。
日本とパキスタンを並べてみると……
5歳になる前に亡くなる確率は、日本の0.2%に対して5.3%。
平均寿命は、18年近くも違います。
03 ― CHILDHOOD
🌱5歳まで生きられるか、という壁
赤ちゃんのころのNidaは、何度もピンチに見舞われました。
ゲームの中の1年は、数十秒で過ぎていきます。
でも、その数十秒の間に、何度も「もしかしたら」がありました。
5歳の誕生日のメッセージを見たとき、
ほっとした気持ちと、6%の子どもたちのことが、両方胸に残りました。
04 ― SCHOOL
🎭好きなことを見つけた子ども時代
7歳のとき、最初の「大きな決断」がやってきました。
選んだのは、演劇・演技。
Nidaはすっかり夢中になって、このあとずっと続けていくことになります。
15歳では、高校に進むかどうかを選ぶ場面も。
ゲームの説明によると、パキスタンで高校を修了する割合は約27%だそうです。
Nidaは、高校に進学しました。
選べることのありがたさを、ゲームで感じるとは思わなかった。
05 ― YOUNG
📚大学受験、結婚、そして母に
18歳。
大学入試に挑戦しましたが……
落ちました。
もう1年がんばって、受け直すことに。
そして次の年、Nidaは大学に進学しました。
大学では、観光・ホテル・調理を学びました。
20歳のとき、家族の年長者たちから縁談が届きます。
相手は、29歳の物静かな男性、Nadeem。
パキスタンでは、夫婦の年齢が離れていることも珍しくない、とゲームの中で説明がありました。
Nidaは結婚を選びました。
卒業後は事務職として働き始め、
26歳のとき、3歳の息子Faisalが重い肺炎になります。
貯金は、たった6万円。
それでも、大きな病院に連れていきました。
Faisalは治療を受けて、回復しました。
自分が赤ちゃんのころに肺炎で苦しんだことを、Nidaは覚えていたから。
06 ― PAUSE
🌙30歳、ひと息
30歳になると、ゲームの時間がいったん止まります。
「Nidaが今日いちばんありがたく思うことは、何でしょうか?」
そんな問いが、画面に表示されました。
ゲームの説明によると、この人の年収は、世界の人々の中で下から49%に入るくらい。
赤ちゃんのころの肺炎、浪人、貯金6万円からの病院。
決して楽ではない30年でした。
でも、Nidaにはちゃんと家族がいて、好きな演劇があって、働ける場所がありました。
ここまで生きてこられたこと。
それが、いちばんありがたいことかもしれない。
……そして、Nidaの人生は、ここから大きく動き出します。
07 ― MAP
🗺Nidaの人生を、ひと目で
08 ― LOSS
🕯36歳、突然の別れ
30代のNidaは、家族のために、何度も決断をしていました。
9歳のFaisalが「デザイナーになれるかな?」と目を輝かせて聞いてきたり、
友人やきょうだいから、お金の援助を頼まれたり。
そのたびに、できる範囲で応えてきました。
でも、36歳のとき。
配偶者のNadeemが、46歳で亡くなりました。
この1行が出たとき、しばらく画面を見つめてしまいました。
09 ― FAMILY
💐新しい家族
それから数年後。
Nidaは、Adeelという男性と再婚しました。
Adeelには娘のSidraがいて、新しい家族になるまでには時間がかかりました。
そして、ある日。
Sidraが初めて「ママ」と呼んでくれました。
10 ― UAE
✈44歳、ドバイへ
44歳のとき、海外で働くチャンスがやってきます。
ゲームの説明によると、アラブ首長国連邦の1人あたりGDPは、パキスタンの約13倍。
Nidaは家族とドバイへ渡り、事務職として働き始めました。
仕事では部長まで務め、60歳で定年を迎えました。
11 ― HOME
🏡61歳、故郷へ
ドバイで暮らして17年。
仕事を手放すと、故郷の言葉や食べ物が、しきりに思い出されるようになりました。
ドバイの家は人に貸して、Nidaはラホールに帰りました。
そこで育った子どもは、アラブ首長国連邦に残りました。
故郷では、猫のNalaと一緒の、のんびりした暮らし。
なんだか人生が一周した感じがした。
12 ― GIVE
🎓故郷に、奨学金を
74歳のとき、こんな話を聞きます。
子どものころに育ったラホールで、家の事情で学校をやめる子どもたちがいる、と。
Nidaは、故郷に奨学金をつくりました。
子ども時代のところで書いたように、パキスタンで高校を修了する割合は、ゲームの説明では約27%。
高校に行けた自分だからこそ、次の子どもたちの背中を押したかったのかもしれません。
最終的に、生徒25人が
学校を卒業できるよう支えました。
13 ― LAST
🌙93歳、最期のことば
90歳を過ぎると、記録には別れが増えていきます。
古くからの友人が亡くなり、
92歳のときには、あの肺炎を乗り越えた息子のFaisalが、69歳で先に旅立ちました。
Nidaは3人の子どもを育てて、そのうち2人を見送りました。
そして、93歳。
Nidaは、パキスタンで息を引き取りました。
いい人生だった。」
孫3人と、ひ孫4人に恵まれた人生でした。
死因は、心筋梗塞などの虚血性心疾患。
ゲームの説明では、パキスタンの70歳以上の死因の約22%を占めるそうです。
14 ― FIVE
📊同じ1秒に生まれた、5人の人生
最後に、同じ1秒に生まれた4人がどうなったかも表示されます。
グアテマラで、最も裕福な層の家庭に生まれたJavierは、39歳で亡くなりました。
一方で、Nidaは93歳。
同じ年にパキスタンで生まれた子どものうち、Nidaより長く生きたのは4%だけでした。
裕福だから長生きできる、とも限らない。
統計の中には、運や偶然も入っているんですね。
15 ― THOUGHT
✨80億分の1を生きて、思ったこと
✔ それでも、選択によって人生は変わっていく
✔ 統計は「数字」だけど、その中に1人ひとりの人生がある
✔ Nidaの人生は、93年で約34,000日。家族と友人に囲まれた人生だった
約20分のプレイで、ひとりの人生を最後まで見届けました。
ゲームの中の1年は、ほんの数秒。
でも、その数秒の中に、病気も、別れも、新しい家族も、故郷への想いもありました。
ニュースで見る「平均寿命」や「子どもの死亡率」の数字の向こうには、
こうして1人ひとりの人生があるんだと、初めて実感できた気がします。
あなたは、80億人のうち、誰として生まれると思いますか?
気になった人は、ぜひ一度、生まれてみてください。
……私も、そう言える人生にしたい。」
・80億分の1(1in8b.life)(ゲーム内の説明と表示)


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